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【RPE】★中ロが、対北朝鮮制裁緩和に動きだした

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       ロシア政治経済ジャーナル No.1789


               2018/7/2


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全世界のRPE読者の皆さま、こんにちは!

北野です。

 

中国とロシアが、対北朝鮮制裁解除に動きだしました。

 

<中露が北制裁緩和求める声明案、米反対し阻止

読売新聞 6/29(金) 15:12配信

【ニューヨーク=橋本潤也】米朝首脳会談などを受け、国連安全保障理事会で中国とロシアが北朝鮮への制裁緩和を求める報道機関向けの声明案を作成していたことが分かった。>

 

どういう理由(口実)で、中ロは制裁緩和を求めたのでしょう
か???

 

<読売新聞が入手した声明案は、12日の米朝首脳会談を「歓迎」した上で、「安保理メンバーは、北朝鮮安保理決議を順守していることを考慮し、制裁を緩和する意思を表明する」としている。制裁に慎重だった中露が、声明の発表を契機に制裁緩和を狙ったものとみられる。>(同上)

 

北朝鮮安保理決議を順守していることを考慮し、制裁を緩和する」

そうです。


まあ、確かに北は、核兵器実験もミサイル実験も止めています。

しかし、約束した「完全な非核化」は、まったく前進していない。

で、この「声明案」はどうなったのでしょうか?

 

<国連関係筋によると、中露は28日、安保理メンバーの15か国に声明案を配布した。

これに対し、米国は「時期尚早」との理由で反対し、発表が阻止されたという。

報道機関向け声明は決議と異なり、法的拘束力はないが、安保理の全会一致が原則となる。>(同上)

 

アメリカが阻止したそうです。

当然ですね。

制裁が緩和されれば、北朝鮮は、金(かね)をゲットできるようになる。

金のある北朝鮮が、「非核化」する必要はあるでしょうか?

もちろんないです。

ということは、中ロは、米朝のディールをぶち壊そうとしているのでしょう。

なぜ?????

 

▼中ロの立場

 

この中ロの動き、昔からの読者さんにとって、意外ではなかったでしょう。

以前に何度も書いたことがありますが、新しい読者さんのために再度触れます。


中国とロシアは、北朝鮮核問題で、常に北の側にあります。

なぜ?

中ロは、共に大国ですが、この世界に恐ろしい存在が一つだけある。

そう、アメリカです。

そういう観点から北朝鮮を見ると、この国は、アメリカの侵略を阻止してくれる「緩衝国家」であることがわかります。

この国が消滅すれば、アメリカは、中ロと北の国境近くに基地を置き、たとえば北京にすぐ届くミサイルを配備することができるようになる。

というわけで、中ロは、北朝鮮を守りたいのです。

これ、RPEで大昔から書いてきました。


一方で、習近平プーチンも、一貫して北朝鮮の核保有に反対しています。

なぜ?

その理由は、「北に核攻撃されるかもしれない」日本、アメリカ、韓国とは意味が違います。

北が中ロを核攻撃することなどありえない。

では、なぜ反対?

中ロは、「核拡散防止条約」(NPT)体制が崩壊するのを恐れているのです。

NPTによると、中ロ(と米英仏)の核保有は「合法」である。

その他の国々の核保有は「違法」である。

メチャクチャ不平等な条約ですが、中ロは「勝ち組」にいるので、この体制を守りたい。


もし「北朝鮮の核保有はOK」ということになれば、日本や韓国は、「北がいいなら、俺もいいはずだ!」と主張することができる。

そうなると、中ロにとってお得な「NPT体制」が崩壊してしまう。

そして、中ロ共、自国の脅威になるので、日本、韓国の核武装にもちろん反対。


両国は、これを恐れて、「北の核に反対!」と主張している。


しかし、「緩衝国家北朝鮮を守ること」と「北に核兵器を放棄させること」、

中ロにとって「どちらが大事?」と聞かれれば?

明らかに「緩衝国家北朝鮮を守ること」なのでしょう。


でなければ、非核化がまったく進んでいない段階で、「制裁緩和」を要求する理由が理解できません。


繰り返しますが、制裁を緩和して、金(キム)が金(カネ)を得れば、非核化する理由はなくなります。

つまり、中ロは、北が核兵器保有しつづけられる環境づくりをしようとしていることになります。。


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まったくこの世はウソだらけ。

どうすれば、だまされずに国益を守ることができるのでしょうか?

その第1歩は、ほんとうの情報を学ぶこと。

こちらを読めば、一気にすべてがわかってしまいます。

 

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