RPE(北野幸伯さんのメルマガ)研究室

RPE備忘録と政治・思想哲学・宗教などの思索

【RPE】★ところで「イスラム国」(IS)って、今どうなってるの???

全世界のRPE読者の皆さま、こんにちは!

北野です。


読者のCさんから、「イスラム国って今どうなっているのですか?」という質問をいただきました。

数年前、異常な残虐性で全世界を恐怖させた「イスラム国」(IS)。

今は、どうなっているのでしょうか?

 

▼ISの歴史

 

超簡単にISの歴史を振り返ってみましょう。


2011年、シリアで内戦がはじまりました。

ロシア、イランは、アサド現政権を支援した。

アメリカ、欧州、トルコ、サウジアラビアなどは、「反アサド派」を支援しました。

この「反アサド派」の中に、ISはいたのです。


アサド政権は、ロシアとイランがバックにいるので、なかなか倒れない。

そこでオバマは2013年8月、「アサドを攻撃する!」と宣言しました。

トランプであれば、さっさとミサイルを大量に発射したことでしょう。

しかし、オバマは2013年9月、攻撃を中止しました。


その後、ISは、「反アサド派」から独立。

彼らは「反アサド派時代」に欧米、サウジなどから得た資金、武器を元手に、勢力を拡大していきます。

そして、翌2014年、ISはテロを起こし、残虐な人殺し映像を拡散し、世界を恐怖させました。

2014年8月、ISを無視できなくなったオバマは、ISへの空爆を開始。

しかし、アメリカと有志連合の空爆は、ダラダラで、ISの力は弱まらないどころか、ますます支配地域をひろげていった。

なぜ「ダラダラ」だったのか?

ISは、独立後も、相変わらず「反アサド」なのです。

つまり、アメリカとISには、アサドという「共通の敵」がいる。

それで、アメリカは、本気でISを叩くことができなかった。


戦局が大きく変わったのは、2015年9月です。

ロシアがIS空爆を開始した。

ロシアの目的は、「アサド政権をISから守ること」。

アメリカのような「矛盾」がないため、容赦しません。

ISが支配する石油インフラをガンガン破壊し、資金源を絶った。

それで、ISは急速に衰退していったのです。


現在のシリアを見ると、ロシアがサポートするアサドが、ほとんどの地域の支配を回復しました。

ただ、東部には、クルド支配地域があり、米軍がここに駐留しています。

ISや、反アサド派は、シリアでは小さな勢力に落ちています。

 

▼ISは、どこにいった???

 

シリアやイラクにおけるISは、勢力を失いました。

ところで、彼らはどこにいったのでしょうか?

はっきりわかりません。

しかし、難民に紛れ込んで欧州に侵入した人が多いと思われます。

皆さん2015年の「欧州難民危機」を覚えておられることでしょう。

この年、100万人を超す難民が、欧州に殺到した。

そのうち約半分(50万人)は、シリアからの難民だった。

その中に、ISメンバーが多数含まれていた可能性が高い。

他には?

私もわからないので、いろいろ調べてみました。

皆さんご存知のように、RPEの情報源は、新聞が圧倒的に多い。

産経、読売、毎日、朝日。

その他、

ウォールストリートジャーナル、BBC、CNN、ブルームバーグなど。

これ、意図的にメジャーな媒体を使っています。

私は、時々日本人が仰天するような話をしますが、きっちり証拠を示すことで、「陰謀論者」「トンデモ系」にならないようにしているのです。

(●たとえば、日本人仰天話4つ。↓
https://diamond.jp/articles/-/170456  )


しかし、「ISの今」については、メジャーな媒体で情報が見つかりませんでした。

いろいろ探した結果、ロシアの英語媒体で見つけました。

「Global Village Space」というサイトです。

正直に書きますが、私はこのサイトがどれだけ信用するに値するのか、わかりません。

このサイトに、こんな記事がありました。
https://www.globalvillagespace.com/isis-starting-invasion-of-central-asia-supported-by-us-russian-chinese-sources-fear/

筆者は、アンドレイ・アフサネヴさん。

Tsargrad Newsの政治部長だそうです。

このツァリグラドニュースというのは、ロシアの保守系ネットニュースです。↓
https://www.youtube.com/user/tsargradtv


ロシアでは、まあまあメジャーです。

ここに「ISの今」に関する情報がありましたので、シェアさせていただきます

 

▼ISは、アフガニスタンに引っ越した

 

・ロシアの諜報機関によると、アフガニスタンで活動するISメンバーは2500~4000人

・中国国防省によると、少なくとも3800人

・彼らは、アフガニスタン東部、パキスタンに接するナンガルハル州に集中している

・ISは、麻薬生産、人身売買を増加させ、武装勢力自爆テロリスト訓練のためのインフラをつくっている

・2017年後半から、ISは500人のメンバーをシリア、イラクからアフガンにうつした

アフガニスタンISの目的は、アフガンを不安定化させるだけでなく、旧ソ連中央アジア諸国(トルクメニスタンタジキスタンウズベキスタン)を侵略し、ロシアの南部国境を緊張させることである

 

ここから、日本人には卒倒物の話になっていきます。


・ナンガルハル州ISの黒幕は、マンガル州知事である

・彼は、自身の影響力を強めるため、ISを利用している

・マンガルは、長年にわたりアメリカ諜報機関とつながっている

・彼は80年代、ソ連軍との戦いに参加していた

・欧米メディアは、彼を効率的で公正な政治家としている

BBCは、彼を「ヘルマンドの新しい希望」と呼んでいた

(マンガルは、08~12年ヘルマンド州知事だった。)

・アフガン国防省によると、ISは5000人まで増員することを計画している


なにが書いてあったかまとめてみましょう。


・ISは、シリア、イラクから、アフガンに移っている

・その数は現在、2500~4000人

・ISは、ナンガルハル州に集結している

・同州のマンガル知事が、ISを保護している

・マンガルは、アメリカ諜報機関と長年つながりのある人物である

・アフガンISは、ロシア南部国境を脅かすために、タジキスタンウズベキスタントルクメニスタンへの侵攻を企てている


となります。

ここでは、はっきりと、アメリカの国益のためにISが動いていると記されています。


日本人には、「陰謀論」「トンデモ系」の話で、信じることは難しいでしょう。

私も「信じてください」とはいいません。


しかし、一点だけ、研究者の間では常識となっているとても興味深い情報をご紹介しましょう。


既述のように、ISはかつてシリア「反アサド派」に属していました。

そして、ロシア、イランは「アサド現政権」を、アメリカ、欧州は、「反アサド派」を支援している。

ここまではいいですね。


ISは、「反体制派の一員」だったの目立たなかった。

ところが、独立したので、「突然現れた」印象をもたれるのです。


皆さん、シリア内戦については、「アサド派悪」「反アサド派は善」という印象をもっておられるでしょう?

アサドは、化学兵器を使う独裁者だと。


そして、アメリカが支援する反アサド派は、「善」だと。

この「善」の中に、ISもいたのです。

そして、ISは、昔から「イスラム国」を名乗っていたわけではありません。


ベストセラー「イスラーム国の衝撃」(池内恵)にISの組織と名称の変遷が記されています。(65~68p)

 

1999~2004年10月、「タウヒードとジハード団」。 

●【注目】2004年10月~2006年1月、「イラクアルカイダ」。

2006年1月~10月、「イラクムジャーヒディーン諮問評議会」。

●【注目】2006年4月~2013年4月、「イラクイスラム国」。

2013年4月~2014年6月、「イラクとシャームのイスラム国」。

2014年6月~、「イスラム国」。


どうですか?

ISはかつて、「イラクアルカイダ」を名乗っていた。

アルカイダといえば、「9.11を起こしたといわれる」あれです。

かつては「アメリカ最大の敵」とよばれた。

アメリカは、「最大の敵」であるはずのアルカイダの一派(IS)を、

「悪の独裁者アサドと戦う民主主義勢力」と偽って、支援していた!


上の記事、私は「信用できる」とはいいません。

しかし、アメリカとISの関係については、公開情報で確認できるだけでも、「深い闇」があることがはっきりわかるのです。

今回は、読者さんの質問に答えようと調べているうちに、トンデモナイ話になりました。

ーー

この手の類の「ウラ話」(しかも証拠つき)を山のように知りたい方は、こちらをご一読ください。

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