RPE(北野幸伯さんのメルマガ)研究室

RPE備忘録と政治・思想哲学・宗教などの思索

【RPE】★米朝会談の焦点(だましあい)

全世界のRPE読者の皆さま、こんにちは!

北野です。


皆さんご存知のように、米朝首脳会談は、シンガポールで6月12日に開催されます。

トランプさん、金正恩さん、今何を考えているのでしょうか?

 

▼アメリカ政府の意図

 

まずは、アメリカの意図について。

 

<「北に安全保障提供」米国務長官、非核化の見返りに言及

5/14(月) 6:01配信

【AFP=時事】マイク・ポンペオ(Mike Pompeo)米国務長官は13日、テレビ局のインタビューで、北朝鮮核兵器を放棄するという戦略的選択を行えば、米国は北朝鮮に安全保障を提供する用意があると述べた。>

 

核兵器を放棄すれば、安全保障を提供する」そうです。


<米国が北との国交正常化の代償として求めるのは、完全で検証可能、かつ不可逆的な非核化だ。>(同上)


<ジョン・ボルトン(John Bolton)米大統領補佐官(国家安全保障担当)は別のテレビインタビューで、北の非核化は「恩恵が出始める前に」完遂されなければならないと警告した。>

(同上)

 

「完全で検証可能、かつ不可逆的な非核化」

「北の非核化は「恩恵が出始める前に」完遂されなければならない」


これは、日本の立場そのままですね。

日本は、北は「非核化の約束だけで、制裁を解除させ、経済支援を受け、核はこっそり保有する」

ことを恐れている。

しかし、アメリカ政府サイドの発言を見る限り、アメリカも、「だまされる可能性」を十分理解しているようです。


ところで、北朝鮮側に見返りはあるのでしょうか?

 

<ポンペオ氏は、

「確実にしようと思ったら、安全保障を提供しなければならない」、

「これは25年間未決のままの取引だ。北朝鮮の首脳に、この取引が真に可能だと思わせる状況に米国を導いた大統領は過去にいなかった」

と述べた。>(同上)

 

見返りは、「安全保証の提供」だそうです。

別の言葉で、「体制保証」でしょうか。

つまり、核兵器がなくなったら、アメリカは北朝鮮を攻撃しないし、金王朝の存続を許すと。

 

金正恩の意図

 

次に金正恩の意図を見てみましょう。

 

<米と合意なら非核化途中に支援…習氏、正恩氏に

読売新聞 5/14(月) 7:13配信

瀋陽=中川孝之、ソウル=中島健太郎】北朝鮮金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長が中国の習近平(シージンピン)国家主席と今月7、8日に中国・大連で会談した際、非核化の中間段階でも経済支援を受けることが可能かどうか習氏に打診したことが明らかとなった。>

 

金は習に、「非核化の中間段階でも経済支援を受けることが可能か?」と聞いたそうです。


予想どおりの展開です。

金正恩の父・金正日は、こうやって世界を欺いてきました。


1994年6月、北朝鮮は、NPTからの脱退を宣言した。

同年10月、米朝合意。

アメリカは、北に軽水炉、食料、重油を提供。

北は、NPTに復帰し、「核開発凍結」を約束しました。

ところが、北はウソをついて、核開発をつづけた。


2003年、北朝鮮は、NPTを脱退。

6か国協議がはじまりました。

05年2月、北朝鮮、「核保有宣言」。

同年9月、北「すべての核兵器を廃棄する」宣言。


現状を見れば、北がウソをつきつづけてきたことは明白。


金正恩は、「偉大なお父さんが成功したやり方で、僕も行こう!うまくだまそう!」と決意している。


さて、習はどう反応したのでしょうか?


<習氏は米朝首脳会談で非核化合意が成立すれば、段階的支援が可能との考えを伝えたという。>(同上)


これは、日本、アメリカとは違う立場です。

「合意が成立すれば、支援が可能になる」と。

つまり、「核兵器が残っていても、支援は可能」と。

これだと過去の繰り返しになる可能性が高まります。


しかし、これは、北朝鮮、中国、韓国、ロシア共通の立場であることを、私たち
は知っておく必要があります。


いってみれば、「みんな一緒にだまそうぜ!」ってことですね。

なぜ?

中国、ロシア、韓国は、一緒になってアメリカをだまし、北の核保有を黙認するつもりなのでしょうか????

 

<正恩氏は習氏に、


「米国は、非核化を終えれば経済支援すると言うが、米国が約束を守るとは信じられない」


と不満を表明。>(同上)

 

「アメリカが約束を守るとは信じられない」

当然です。

アメリカは、03年に核開発を放棄したリビアカダフィを、8年後に殺しています。

(実際に殺したのは反カダフィ派だが、NATO空爆などによって、反体制派を支援した。)


金がアメリカを信じないのは当然でしょう。


中ロは、「緩衝国家」北朝鮮の消滅を恐れている。

両国は、「北朝鮮が存続するのなら、北の核保有は認めてもいい」というのが本音なのでしょう。


というのも、北が中国やロシアに核兵器を使うことはありえない。

北のターゲットは、アメリカ、日本、韓国なのです。

 

そして、二回だまされているアメリカが、北を信用しないのもまた当然。


というわけで、アメリカと北は、「だましあい」の様相です。

正直で、お人好しで、ナイーブな日本は、「だましあい」ができません。

だから、トランプ政権と連絡を密にして、過去の実例をだしながら、

「トランプさん、だまされないでくださいよ!」とお願いしましょう。

ーーー

国際関係は、まさに「だましあい」です。

世界一お人好しな日本は、どうやってサバイバルしていけばいいのでしょうか?

こちらを読めば、全部わかります。

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